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マンション管理組合が民泊を制限するのはなぜ?

年々増え続けている外国人観光客。その反面で、叫ばれているのが宿泊施設不足です。特に東京や大阪、京都などの人気都市ともなれば3ヶ月先まで予約が埋まっていることも…。その受け皿となるべく登場した「民泊」ですが、実は大きな問題を抱えていたのです。

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トラブルが付き物の民泊

民泊とは、一言でいえば民家に宿泊をすることです。そのため旅館やホテルなどではない、一般住宅の一室などを、短期的に宿泊施設として貸し出します。インターネット上で「借主」「貸主」がやり取りをするため、より手軽に利用することができます。 気軽かつ低料金で利用できる反面で、多くのトラブルが報告されています。マンションの一室をインターネットの民泊サイトを通して貸出。住民から苦情が寄せられ、保健所が立ち入り調査をしたところ、違反が発覚するというケースも増えています。 空き家を活用しているのであれば、問題ないのではないか?そんな疑問が浮かびますよね。しかしマンション内に、不特定多数が出入りをすることで、ゴミの分別や騒音問題、共用施設の不法占拠など、迷惑行為が後を絶ちません。またセキュリティ面にも不安が残るため、犯罪の温床となってしまうリスクも出てきます。

タワーマンションが大人気?

外国人観光客に人気なのがタワーマンションです。田舎体験付きの地方民泊も話題になっているものの、普段味わうことができない空間という意味では、タワーマンションなどの高級物件も話題になっています。特にアジア圏の訪日観光客が多く、投資用として所有しているオーナーにとっても、賃貸物件として一般的な活用をするよりも大きな利益に繋がります。

マンション管理組合が民泊を嫌う理由

ホテルなどと異なり、宿泊用ではなく住居用として入居者は使用しているため、問題になるのが民泊です。マンションの管理組合としては、入居者の不利益になってしまう状況を見過ごすことはできません。 マンションはそもそも、不特定多数の人が出入りをすることを想定した構造にはなっていません。セキュリティ面にも不安だけが残り、多額の資金をかけて物件を購入した入居者たちの住環境を破壊してしまう行為といえます。

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「ペットが禁止なのに犬が出入りしている」「夜中に騒ぐ声がする」「収集日でもないのにゴミが出されてカラスが集まっている」など、宿泊客のマナー違反は、入居者の住環境を直接的に破壊してしまうのです。

管理規約で禁止するマンションも

マンション管理組合には、管理規約や使用細則があります。それらの中で、民泊を実際に禁止している物件も出てきています。「当マンションにおいて、ルールを理解していない見知らぬ人が多数利用をする状況は、共用部分の使用が荒れてしまい、区分所有者の資産価値を崩壊させます」という記載に至ったマンションもあります。 他にも、大阪地裁がマンション管理組合の申し出に「民泊の差し止め」を命じる判決が2016年1月に出ています。この判決においては、「物件のオートロックが宿泊者の出入りによって安全を阻害している」「廊下やエレベーターにおける騒音トラブル」「区分所有者の利益に反する」など、管理組合の主張が認められた形といえます。

「泊まる」「泊める」で視点が変わる

民泊は利用する側からすれば、安くて良い宿に泊まることができる画期的なシステムです。ただし同じ物件に住んでいる入居者からすれば、不利益が先に立ちます。法律や制度が整備段階にある今、2020年の東京オリンピックに向けて、さらなる民泊制度の普及が予想されます。マンション購入を検討されている方は、まずは管理規約に民泊の記載があるのか、確認しておきましょう。他にも、管理規約には、物件独自のルールが記載されているため、隅々まで目を通しておくことをオススメします。